新しい時代の新しい大学

 21世紀は、テロとそれに対する報復戦争という、誰も予想しなかった不幸な形
で、その幕を開けました。経済的には長く続いた不況の出口に差し掛かっている
私たちは、Web2.0に対する明るい期待に示されるように、まだ明確な形を持って
いない「何か」が、巨大な社会的な変革が、我々の前に登場しつつあることを感
じています。

 こうした時に、大学で「情報」「メディア」を学ぶということが、どのような
意味を持っているのかを、私たちは、あらためて考える必要があると感じていま
す。今、私たちが一番真剣に考えようとしていることは、この時代が、大学教育
に何を求めているのかということです。新しい時代には、新しい大学が必要なの
です。

 全国ではじめて、「情報メディア学部」をつくった稚内北星学園大学は、情報
メディア教育に関して、全国のどの大学に比べても、先進的な教育目標を設定し
ています。広帯域のネットワーク上でのメディア統合を展望した、新しい教育目
標は注目を集め、「情報メディア」を掲げる学部・学科は、短いあいだに、全国
に広がりました。それは本学の教育コンセプトの先駆性を示しています。

 こうした達成に満足することなく、稚内北星は、いままたその活動のレンジを
大きく拡大しようとしています。社会人のIT技術者の再教育を目的とした、東京
にサテライト校を開設したのに引き続き、稚内北星の教育コンテンツをアジアに
展開する積極的な活動が始まっています。中国、ネパール、バングラデッシュ、
ロシア、ベトナム。本学のIT教育に対する関心は、国際的にも高まっています。

 稚内北星は、これからの時代、さまざまな困難の中でも、生き生きと仲間たち
とコミュニケーションができ、社会=歴史的な視点をも兼ね備えた魅力ある人間
たちによって、最先端の情報技術が担われ、そうした土台のうえに、平和で繁栄
した社会が作られていくことを期待しています。

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大学のパンフに載せる、僕の挨拶文です。